実績

製造業における収益改善と将来を見据えた仕組み化づくり

専門業種
テーマ
事業規模
  • 従業員:10名 

起きていた問題

昨今、製造業における価格競争や収益確保は厳しさを増しています。
さらに、創業者である現社長が、息子さんなどへ事業承継するタイミングであるケースも多く見受けられ、当該会社も同じ状況に直面していました。
そのような中、現場では実際原価計算が行われておらず、長年販売価格も据え置きの状態で、製品仕様書や作業マニュアルも不十分な状況でした。
現状では営業利益は出ているものの、将来を見据えると改善が必要だと認識されているものの、うまく実行ができていない状況でした。

コンサルタントの関わり方

実際原価計算の把握と原価意識の醸成による収益改善

実際原価計算の算出と価格交渉に活用する資料作成支援、不具合発生を抑制する仕組みづくりに取り組みました。

解決方法

収益改善と将来を見据えた仕組み化づくり

プラスチック成型業などの製品は、受注時には現物がなく、図面を元に見積計算するケースが多いのですが、初回量産後、しっかりと実際原価計算を行い、見積時との差異分析を行っているケースは多くないように感じます。
また、長年量産している製品の中には、材料価格や電気代が値上がりしているが、価格転嫁は出来ていないというケースも多く見受けられます。
さらに製品仕様書・マニュアルが出来ていない中、事業承継を迎えるというケースも見受けられ、この3点において改善の取り組みを行いました。

解決 POINT 1

製品ごとの実際原価計算の算出

一般的に、プラスチック射出成型業における製品単価は、新規案件発生時に客先から図面を受領し、見積計算を行ってから受注します。

原価構成としては、①材料代、②加工賃、③梱包費、④運賃から成り立っていますが、
見積時点では現物がないため、図面から製品重量を計算し材料代(①)を求め、次に金型取数と使用成型機のトン数を考慮し製品1個あたりのサイクルタイムを予想し加工賃(②)を求めます。
その見積時に、この材料代(①)と加工賃(②)の計算を見誤ると不利益が発生します。
具体的には、図面を元に重量計算する際、製品重量を実際の重量よりも軽く計算してしまうと損失が発生しますし、1個あたりのサイクルタイムを短く予想してしまっても損失が発生します。
逆に製品重量を重く計算し、1個あたりのサイクルタイムを長く予想すると、競合他社との見積競争に敗れ、失注してしまいます。
現在は、3次元CADや金型流動解析などのソフトを活用することで、高精度に予想することができますが、昔から量産している製品に関しては手作業で計算しているケースが多いのが現状です。

そのような状況の中、受注した製品について、見積時の予想原価計算と量産時の実際原価計算の分析が出来ていなかったため、まずは主力製品の実際原価計算を行い、製品ごとの採算性を分析いたしました。
製品ごとの採算性を分析することで、(ア)見積時の予想原価計算と実際原価計算の差異を認識し、見積精度の向上を図る、(イ)現場作業者に見積時の予想サイクルタイムを知らせ、目標意識(原価意識)を持ってもらう、(ウ)見積時と比べ、材料価格が値上がりしているものに関しては価格交渉の材料として活用することができます。結果、(ア)と(イ)に関しては、意識改善による原価低減効果が表れ、(ウ)に関しては、後述する価格交渉により単価UPし利益率の改善に繋がりました。

解決 POINT 2

根拠のある価格改定資料の作成と取引先との価格交渉

上記1の実際原価計算を進めていくと、材料価格が見積当時より上がっている製品が多く見受けられました。
そして、長年、価格改定(値上げ)が出来ておらず、交渉も行えていない状況だったので、値上げ交渉を進めることにしました。
値上げ交渉を進めるにあたっては、

(ⅰ)相手が納得する根拠のあるデータを示すことができるかどうか、
(ⅱ)競合他社の値上げ状況はどうなのか(競合他社は値上げしているか)、
(ⅲ)値上げ幅の着地点をどこにもっていくか
が重要だと考え、進めていきました。

(ⅰ)に関しては、上記1で作成した実際原価計算のデータを客先提出用へ加工し、(ⅱ)に関しては営業部員の方へ確認して貰うよう進め、(ⅲ)に関してはこちらが要求している値上げ幅を承諾して貰えなかった場合に備えた落としどころ (5%の値上げ要望に対して3%の値上げのみ承諾して貰う・1回の注文ロット数を増やして貰うなど)を決めました。
根拠のあるデータを示す際の注意点としては、こちらの見積ミス(予想の製品重量や予想のサイクルタイム)は取引先に責任はないので、「見積時からの原材料価格値上がりの推移」「電気代や人件費(最低賃金)の値上がりの推移」などのデータを元に、商談時に提出する資料作成に取り組みました。

解決 POINT 3

製品仕様書・マニュアル更新による不具合発生の抑制

製品仕様書や作業マニュアルにおいて、一部作成できていないもの・改定が必要なものがあったため、修正や新規作成を進めました。
一番の目的は作業の標準化と不具合発生の防止であり、顧客からの信頼獲得だけでなく、作り直しのムダや不必要な検品作業を行うムダを省き、原価低減を図ることです。
不具合が発生した際に、口頭注意はするものの、数ヶ月経ったら同じ問題が発生するというケースは意外と少なくありません。
一度不具合が発生した製品に関しては、不具合発生報告書を客先に提出するだけではなく、いつどのような不具合が発生したか、どのような点に注意を払うべきかを製品仕様書などに追記・更新し、生産時に現場作業員が確認する習慣をつけるのが重要です。

効果・成果

実際原価計算を行い、原価意識を持つことで、営業部員の見積精度の向上及び、現場作業員の原価意識が高まりました。また、根拠のあるデータを元に価格交渉を進めたことで顧客から価格改定の承認を頂くことができ、収益性が改善されました。
さらに今までは暗黙のルールという形でやってきたものを、製品仕様書や作業マニュアルを作成し、不具合発生時には随時更新していく習慣をつけることで品質向上にも繋がりました。
ルールに基づき作業をしてもらうことは若手社員に対する教育・育成にも有効で、いつ誰がやっても同じ品質で製品を作るためには必要不可欠だと考えます。

中小製造業を営む会社では、職人の方の技術力は優れているけれど、属人的な要素が多かったり、原価意識は十分ではないというケースが見受けられます。
さらに、事業承継のタイミングであるケースも多く、創業者である社長が、息子さんにバトンタッチする上で、管理体制を整えたいというご要望もしばしばお聞きします。
社内にそのような人材がいない場合、外部専門家による助言・アドバイスを受けるのもひとつの方法かと思います。
そのような場合は、是非一度、中小企業診断士のご活用をご検討頂けましたら幸いです。

中小企業診断士
行政書士

成田 将之
Masayuki Narita
登録番号:414038

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