経営コラム

ちょっとストップ!!ものづくり企業における新商品開発の罠!

ものづくり企業の新商品開発のポイント
本当に新商品開発やりますか?

私は、工業用試作品の製造や新商品開発支援、新事業計画作成支援という形で数多くの新商品開発に関わってきました。
その中で、ものづくり企業が新商品開発を行うにあたって陥りやすい罠があることに気づきました。その罠は大きく2つあります。
1つ目は、新商品開発に取り組むか否かといった経営戦略策定段階での罠で、2つ目は、商品開発段階におけるマーケティング戦略策定段階での罠です。

今回のテーマは、1つ目の罠「新商品開発に取り組むか否か」についてです。
2つ目の罠「新商品開発のマーケティング戦略策定段階での罠」については「ものづくり企業の新商品開発のポイント」として次回に説明します。それでは1つ目の罠「新商品開発に取り組むか否か」ついて説明します。
みなさまは、どのような時に新商品の開発に取り組むかを検討しますか。
お客さまから要望を聞いたとき、将来伸びそうな分野に自社の技術が使用できそうなときなど、様々なケースが考えられます。
では、実際に新商品の開発に取り組むか否かの判断のポイントは何でしょうか?
もちろん採算性やお客さまが存在しているか、いくらで、どのような流通経路で販売するかなどを多角的に検討する必要があります。ですが、その前に理解しておかなければならないポイントが一つあります。

そのポイントは、取り組もうとする新商品開発のリスクを知ることです。Mbr> 新商品開発は売れるか売れないかわからないものに投資をするわけですから、当然、大きなリスクを伴うことは誰もが理解するところです。
しかし、リスクの大きさが内容によって変わるのです。
にもかかわらず、モノづくり中小企業はリスクの大きさを十分に理解しないまま、最もリスクの高い新商品開発に取り組むケースが良く見られます。

では、最もリスクの高い新商品開発とはどのような開発でしょうか。
それは、多角化戦略と呼ばれる戦略に該当する新商品開発です。
具体的にネジの製造業の場合で考えてみます。例えば、今後、航空宇宙産業が伸びそうだと考えて、これまでに取り扱った経験のない材料を使用した性能の良いネジを、これまでに取引実績のない航空機部品メーカーに販売するといったケースが多角化戦略に該当します。いかがですか。
今までにネジを製造してきたのだから、リスクは低いではないかと考える方もいるかもしれません。もしかすると開発のリスクは低いかもしれません。

しかし、完成した商品をルートのない顧客に販売は高いハードルとなります。
このことから、この開発は、開発面、販売面の両面でリスクを抱えている非常に難しい事業になります。
逆に既存顧客からの「この材料でネジを作ってほしい」という要望に則っての開発は販売のリスクが小さくなります。また、開発から離れますが、これまでに自動車部品メーカーに納めていた性能の良いネジをオートバイ部品メーカーに販売するといった戦略は開発のリスクが小さくなるので十分に検討する必要があります。
さらにリスクが小さいのは、当たり前ですが、今ある商品を既存取引先に売るために他にできることを徹底的に検討し実行することです。

繰り返しになりますが、新商品開発はリスクが大きい事業です。
既存商品がうまくいかないから取り組むべきものではなく、まずは既存商品を徹底的に市場に浸透させて足場を固めてから取り組むべきものだと認識する必要があります。
加えて、新商品開発に取り組む場合は、その開発が多角化戦略に該当するか否かを十分検討して着手する必要があります。

ものづくり企業の新商品開発のポイント
商品の開発段階で注意するべきポイント

この節では、新商品開発を取り組むことを決めた後の話、すなわち商品を開発段階で注意するべきポイントについて書かせていただきます。

新商品開発に取り組もうとするモノづくり中小企業の社長に話を伺うと「良い商品を作れば売れる」という言葉を良く聞きます。そこで、「社長の考える良い商品とはどんなものですか」と聞くと「品質と性能が良い商品だ」と返事が返ってきます。ですが、実際には品質と性能以外にも検討すべきポイントが3つあります。1つ目は価格です。確かに品質と性能が良ければ高くても売れる商品は存在します。しかし、お客様が従来スペックで満足している場合には、品質より安価な商品を重視するようになります。つまり高品質、高性能で高価格の戦略を取る場合には、その商品を取り巻く外部環境すなわち競合他社の商品やお客様の要望や使用状況や流行などを十分検討する必要があります。

2つ目は流通経路です。流通経路というとわかりにくいですが、簡単に言い換えると「欲しい時に簡単に買うことができるか」ということになります。お客さまが欲しいと思った時に、どこで販売しているのかがわからなかったり、購入するための手続きが難しかったり、在庫が切れていたり、入荷に時間がかかったりすると、お客さまは逃げてしまいます。こういった状態にならないためにも、お客さまがどこで買う商品なのか、在庫はどれくらい必要なのか、どうやってお客さまも元に商品を届けるのかを十分に検討し最適に条件を設定する必要があります。

3つ目は販売促進です。販売促進というとわかりにくいので、これも簡単に言い換えると「ターゲットとするお客さまに商品の存在とその良いところを知ってもらうための手段」ということになります。新商品はまずはターゲットとなるお客さまに知ってもらわなければ購入に至ることはありません。また、ターゲットではないお客さまにどれだけ知ってもらっても購入には至りません。中小企業が新商品を知ってもらうには、テレビやラジオなどへの有料広告はハードルが高いかもしれません。しかし、新聞や雑誌へのプレスリリースやインターネット広告や展示会などを効果的に組み合わせ活用することで認知度を上げ成果を出している企業も沢山あります。

このように新商品開発では、良い商品を作れば売れるではなく、お客さまの視点に立ち、いかにお客さまの元に良い商品を届けるかを意識する必要があります。是非、良い商品を沢山の人に使っていただけるよう開発に取り組んでいただければと思います。

最後に、今回ご紹介した内容を自社だけで解決することが難しい場合には、是非、中小企業診断士をご活用ください。事業に潜むリスクの抽出、事業内容の整理、方向性の提案、事業計画立案など、新商品開発に関わる困りごとを皆様と一緒に解決いたします。

担当メンバー名:大音和豊(中小企業診断士 モノプラス株式会社 代表取締役)

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