経営コラム

小さな会社のデジタルトランスフォーメーション

はじめに

ある要因について、74.4%の人がプラスの影響を及ぼしたと回答したアンケートがありますのでご紹介します。

このアンケートは先日公表された、2021年版中小企業白書の中から抜粋したものとなります。(P347 図2−2−14より引用)

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/PDF/chusho.html

 

これは、デジタル化推進による業績の影響に関するアンケートで、プラスの影響とは、デジタル化によって業績が改善した、という意味です。
このコラムでは、コラム記事執筆時におけるデジタル化における状況について、支援の現場で感じたことも交えてご紹介いたします。

本コラムの要点は下記のとおりです。
1.「デジタル化」とは?
2.段階に応じてやってみましょう
3.小さな会社でもできることがある 引継ぎをきっかけに
4.小さな会社の社長が気を付けておくこと
5.専門家を頼ることも大事

1.「デジタル化」とは?

「デジタル化」と聞いて、皆さんのイメージはどういったものでしょうか?「PCを利用する」「エクセルを使う」「なんだかこむずかしいなぁ」「主に大手企業が取り組んでいること」など、いろいろな印象をお持ちだと思います。
本コラムでは、「アナログデータをデジタルデータに変換・活用し、業務の効率化を図ることや、経営に新しい価値を生み出すこと」(2021年版中小企業白書https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/PDF/chusho.html P320 脚注2 より抜粋)の定義を用います。ここで言われている「アナログデータ」とは、キャビネットや書類の棚に保管してある紙の請求書や、顧客に説明するときに渡す営業資料、社内資料(議事録とか稟議書とか・・)を思い浮かべることでしょう。さらに、日ごろは口頭で説明するか、担当者の頭の中にしかなく、特に記録していない、といった内容なども入ると考えてよいのではないでしょうか。

2.段階に応じてやってみましょう

デジタル化って、「難しい」と身構える方も多いように私は感じます。そこで、デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会の中間報告書『DXレポート2(中間取りまとめ)』 P34 https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004.html で紹介されている、段階に分けてお考えいただく方法もありますよ、とお伝えすることがあります。
段階1.デジタイゼーション  単純なデジタルデータ化
段階2.デジタライゼーション 業務のやり方までデジタル化
段階3.デジタルトランスフォーメーション 顧客起点の価値創造やビジネスモデルの変革

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation_kasoku/20201228_report.html

「全部デジタルなんて、スキルがなくて理解できない」「取引先が紙資料を要求する」「業務の流れを変えられない」など様々なご意見が、皆さんの周りでも聞こえてくるのではないでしょうか?そこで、すべて一気に変えるのではなく、一つずつ順を追って進めていくのはいかがでしょうか?
上図の通り、最初に「アナログ・物理データのデジタルデータ化」に取り組んでみてはいかがでしょうか?特に小さい会社では今までのやり方を変える場合、皆さんのご負担も大きいのではないでしょうか?対応する方の理解を得るためにも、全部一気に変えるのではなく、一つずつ様子を見ながら進めていく、のもおすすめです。

3.小さな会社でもできることがある 引継ぎをきっかけに
一例ですが、担当が変わったり異動したりした後、引継ぎがうまくいってない場合、
「倉庫に」「ロッカーに」「書棚に」書類がそろっています、で済ませてしてしまうことはないでしょうか。確かに書類はあるのですが、ただあるだけではなく、その書類をどう活用できるか、は、今までの担当は知っていても、新任の方が分からない状態になっていることもあります?その場合、口伝えするだけではなく、エクセルで一覧表を作ってみるだけでも簡単なデジタル化になるのではないでしょうか。

纏め方の一例として、資料名や内容のみならず、関連する業務の関係者はだれで、どういった役割(実施する人・承認する人・相談する相手・報告する相手 など)を整理してみませんか?それは、「デジタル化」への第一歩で、次の段階につながる行動です。
取りまとめてみて、不要な資料を破棄する、やり方を変えてしまう、などを行えば、それは「業務プロセスの改善」になります。特に小さな会社で、デジタル化が難しい、と思われる方には、目の前にある小さいことの積み重ねのお試しをお勧めします。

4.小さな会社の社長が気を付けておくこと
経営者として取り組む姿勢はどういったものでしょうか。
私の意見となりますが、現場で作業を行っている人と、IT部門(または ITに詳しい人)と一緒になって方向性を決めていく姿勢が重要に思います。
入力方法やレポート出力の方法など、細かい点は現場の担当者に任せるにしても、全体業務や部門のうち、どこを進めるかについては、明らかなようでも経営者が議論に入って判断いただきたいところです。
次に、導入してみて安心している様子をお見かけするように思います。導入後、どうなったのか、適切に追跡し、改善を続けているのか、というところも、重要な点です。継続的な活動のため、根気強く取り組まなければなりませんが、経営者の姿勢としても重要になってくるように感じます。

5.専門家を頼ることも大事
自社で取り組みを進めていくことが重要ですが、取り組みが思った通りではない場合、第三者からの意見を参考にしてみてもよいと思います。ITの技術のみならず経営の観点からアドバイスを受ける、という点で、中小企業診断士も選択肢の一つです。

(※本コラム内の写真はマイクロソフト提供のストック画像より引用)

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